コラム:胃がんリスク検診について
胃がんリスク検診について
今回は胃がんリスク検診についてお話しします。
皆さんはピロリ菌についてご存じでしょうか?何となく名前は聞いたことがあるという方も多いかと思います。
ピロリ菌は酸の多い胃の中で生活できる数少ない細菌です。
ピロリ菌に感染すると慢性的に胃の調子が悪かったり、慢性の炎症により胃潰瘍や胃がんを引き起こすことが知られています。高齢者の70%~80%はピロリ菌に感染していることが知られています。
ピロリ菌の感染の有無を知る方法としてABC検診があります。胃がんリスク検診ともいわれています。
ABC検診(胃がんリスク検診)は、ピロリ菌感染の有無と胃粘膜の萎縮度を血液検査で評価し、胃がんになるリスクを予測する検診です。胃がんそのものを見つける検査ではなく、胃がんになるリスクの評価を目的としています。下の図のようにA群からD群に分かれます。ピロリ菌に感染していないA群では胃がんの発生リスクはほぼゼロですが、D群では年間で80人に1人は胃がんになるとされています。このため、胃がんのリスクが高いと診断された方は定期的な内視鏡検査が必要です。
胃がんにならないためには、自分がピロリ菌に感染しているかどうかを知っておくことは非常に重要です。しかし、現在の保険診療では、胃の症状があるだけでピロリ菌の検査を行うことが出来ません。一方、健康診断でピロリ菌の有無を調べる検査が行われることがあります。また、堺市では35歳から49歳までの方は、一度だけこの胃がんリスク検診が無料で受けられます。皆さんぜひ一度胃がんリスク検診を受けてください。
無料検診の対象外の方は、自費にはなりますが4000円(税込み)で検査を受け付けておりますので受付や診察の際にお声がけ下さい。
